過払い金返還請求とは
テレビやニュース、ネットで「過払い」という言葉をよく聞きます。消費者金融から借り入れをし、返済していく際は各社によって決められた利息がつく。
利率次第では過払いとなり、本来は支払わなくてもよい額まで払っている場合がある。実体験がない人間にとっては、その程度の知識しかお持ちではない方も多いのではないでしょうか。
「グレーゾーン金利」「利息制限法」両方身近にない単語で、よくよく意味も解ってはいませんでしたが、最近友人づてによく耳にする武富士という会社名とともに、過払い請求をした体験談を聞く機会がありました。
まず過払いとは、消費者金融などの貸金業者から融資を受けた人が、業者に借りた金額以上の返済をした金額のことをいいます。
法律では「利息制限法」により、利息の上限が決まっているそうです。
・元本が10万円未満の場合は年20％ ・元本が10万円以上100万円未満の場合は年18％ ・元本が100万円以上の場合は年15％
法律で上限が決められているのに、どうして過払いが発生するのでしょう？ここで「グレーゾーン金利」が出てきます。多くの貸金業者は「利息制限法」ではなく「出資法」の上限29.2％ギリギリを守った利率で貸し付けていることが多いのだそうです。
「利息制限法」と「出資法」の上限利率の差を「グレーゾーン金利」と呼ぶ。なるほど、黒でも白でもない、だからグレーなのかと思わず納得してしまいました。
過払い問題が取り沙汰されるようになり、今は武富士も含め殆どの消費者金融が利息制限法の上限を守ってるので、雑誌などの広告を見ても貸付利率は～18％になっています。
しかしそもそも何故差が出来るような法を作ったのか疑問なのですが、もっと驚いたのはこのグレーゾーン、2010年に予定されている上限金利の法改正までは、有効なのです。
さすがに表立った消費者金融では改められていますが、いまだポストなどに入るキャッシングのダイレクトメールでは使われていることもあるようです。困っている人の心理を巧みに利用する手段には、じゅうぶん気をつけなければとゾッとしました。
武富士 過払い体験談
友人は数年前に武富士に完済した借金に疑問を持ち、ふとネットで見つけた過払い金計算ソフトで計算して、初めて自分が過払いをしているのではと気がつき、武富士へ問い合わせをしてみたそうです。
色んなケースがあるでしょうが大体６～７年返済を続けている場合、過払いが発生しているケースが多く、友人はこれに当てはまっていました。
昔は弁護士に相談しなければ個人ではどうすることも出来ないと思いがちだった業者との交渉ですが、いまはネット上での体験談や知識、ノウハウを学べます。
様々な知識を借り、友人は簡易裁判所の口頭弁論まで持ち込んだ結果、無事和解が成立しましたが、武富士側の応対はかなり遅く、期日を守って貰えないことに対し抗議すれば「請求件数が多く、対応がおいつかない」、和解についても当初は「出来ません」の一点張りで、気持ちの弱い人であれば心が折れてしまうかもね、と苦笑いしていました。
それでも多くの手順は踏まなければなりませんが、出来ない訳ではありません。ただし相手が大手企業であればの話で、町金(闇金)と呼ばれる悪質な業者が相手の場合は弁護士に相談したほうがいいでしょう。
返済が終わっていなくても、長年支払い続けている方は過払いによって、実はすでに完済している可能性があります。完済して数年経っている人であっても、完済語10年間は過払いの請求が出来るそうです。
最高裁によれば、過払い請求権には年５％の法定利息がつくらしく、もしかしたら年数が経っているほうが多く戻ってくることもあるかもしれません。
今は縁遠い話では、いつ自分や回りの人に降りかかるか予測できない世の中。身近で起こりうる可能性もある過払い問題、覚えておきたい知識のひとつになりました。